パタゴニア

前回の「ヘイジー IPA」に続き、今回スポットを当てるのは、パタゴニア プロビジョンズのビール・プロジェクトにおける「原点」。

「ロング・ルート・ペールエール」です。

華やかなトレンドとしてのヘイジーが「動」であるならば、このペールエールは「静」です。


パタゴニア

醸造学が辿り着いた、ひとつの「回答」

「スタンダード」を再定義することは最も困難な作業の一つです。

パタゴニアが2016年にこのビールを世に送り出したとき(日本上陸はその後)、彼らが目指したのは単なるクラフトビールの流行への追随ではありませんでした。それは、「ビールという大衆文化を通じて、農業の在り方を根底から覆す」という壮大な実験でした。

その鍵を握るのが、既にお馴染みとなった多年生穀物「カーンザ」です。

「ロング・ルート・ペールエール」のプロファイル

項目 特徴
スタイル ノースウェスト・スタイル・ペールエール
思想 リジェネラティブ・オーガニック(環境再生型農業)の推進
味わい クリーン、グレープフルーツのような苦味、ドライなフィニッシュ
アルコール度数 5.5%

余白を愉しむ、ストイックなまでのクリーンさ

グラスに注いだ瞬間、その透明感に驚かされます。ヘイジーの官能的な濁りとは対照的な、美しく澄んだ琥珀色。

  • 香り: 派手すぎない、しかし確かな存在感を放つシトラスの香気。オレゴン州ポートランドの冷涼な空気を閉じ込めたような、凛としたアロマが鼻腔をくすぐります。

  • 味わい: 第一印象は「端正」。余計な甘みを削ぎ落としたドライなボディが、ホップの心地よい苦味を際立たせます。

  • カーンザの役割: ここで重要なのが、やはりカーンザがもたらす「奥行き」です。通常の麦芽だけでは到達し得ない、どこかナッツやスパイスを思わせる微かな滋味。それが、単なるライトなビールを「思考を促す一杯」へと昇華させています。

このビールには、派手な演出はありません。しかし、飲み進めるほどに、その「構造の美しさ」に気づかされるのです。


「選ぶ」という行為が、風景を変えていく

一回限りの収穫で土壌を疲弊させる一年生作物ではなく、深く根を張り、土を癒し、炭素を固定する多年生作物を支持すること。その選択が、巡り巡ってアウトドアフィールドを守ることにつながる。

週末、このペールエールを味わってみてください。

◼️詳細
パタゴニア Patagonia ロング・ルート・ペールエール(6缶) 000 ALL

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